2012 9月1日(土) 13:00〜 田村文利 Afternoon Jazz Live At The Royal Horse vol.23
It Always Entered My Mind 「 Richard Rodgers&Lorenz Hart 特集」
田村 文利 (pf) 山本久生 (bs) 引田裕路 (dr)
今回はオール Richard Rodgers&Lorenz Hart のプログラムでお送りします。
Richrad Rodgers(1902-1979)とLorenz Hart(1895-1943)は彼らがコロンビア大学の学生時代、1919年からブロードウェイミュージカ ルに曲を書き始めました。その後、'43年ハートが亡くなるまでに、28のミュージカルと5つの映画の音楽を担当し、500を超える曲を作りました。今回はその中から10曲を選び、演奏と今回は特に歌詞についても紹介していきたいと思います。
1.Falling In Love With Love('38年の ミュージカル“The Boys From Syracuse”より)
数々の jazz musicians、vocalistsが取り上げてきたこのナンバーですが、今回は、天才Wynton Marsalis(Tp)在籍時のArt Blakey& The Jazz Messengersの演奏を参考にアレンジしました。「恋に恋して」という、今ではよく使われるフレーズのはしりでしょうか?
2.It Never Entered My Mind('40年のミュージカル“Higher and Higher”より)
マイルスの第一期黄金クイン テットの演奏が有名なバラード。それから、今回のプログラムの曲の中で Frank Sinatra が歌わなかった曲は無かったんじゃないかと思うんですが、同じくKeith Jarrettが演奏、録音してない曲も無いんではないかと思われます。その KeithはTrio での初期のアルバム「Standard Vol.1」での演奏していました。BassのPedal Pointが効果的なそのアレンジにインスピレーションをもらいました。
3.This Can't Be Love(「Falling In Love With Love」と同じく'38“The Boys From Syracuse”より)
一度聴いたら頭から離れない Natalie Cole のアルバム『Unforgettable』('91)でのアレンジはもちろん、彼女の偉大なる父 Nat King Cole の'53年の録音に 基づいていました。関西のJazz Vocalの人たちもよく歌うこの曲を、僕も Piano Trio で演って見たいと思います。
4.Bewiched,Bothered and Bewildered('40年のミュージカ ル“Pal Joey”より)
'57年映画化、邦題『夜の豹』シナト ラ、リタ・ヘイワース、キム・ノヴァクが競演。シナトラが歌う。
この曲のタイトル、歌詞についてのとても興味深い話は、ぜひ当日の MC で是非聴いてほしいです。演奏の方はワルツで演ってみます。
5.It Might As Well Be Spring('45年 映画“State Fair”)
'45年 映画“State Fair”からのナンバーで、今回のプログラムの中で唯一、Rodgers& Hammerstein のコンビ(L Hartの死後 R RodgersはOscar Hammerstein と組むように)による曲です。昔から Jazz musician がよくやるように、僕も軽いラテンのリズムでやってみます。
1.My Romance('35年のミュージカ ル“Jumbo”より)
対立するサーカス団長達の娘と息子の恋を描いたこのミュージカルからのヒット曲です。ビル・エヴァンス(p) の演奏が有名ですが、今回は80年代の A Blakey&JM の、 James Williams の P をフューチャーした演奏をヒントに、ちょい早めの 4Beat でお送りします。
2.I Didn't Know What Time It Was('39年の ミュージカル“Too Many Girls”より)
サラ・ヴォーン (vo)、ドリス・デイ(vo)などの歌が有名。今回ブラッド・メル ドー(p)トリオによる5拍子のアレンジを借りて演奏します。
3.Little Girl Blue
こちらは My Romance と同じ“Jumbo”のミュージカルからのナンバーです。
Sinatra や Ella Fitzerald(Vo) Keith Jarrett もそうですが、 他にRodgers& Hart の曲を多くとりあげたて、僕の印象に残ってるのが、Linda Ronstadtです。ロック畑で名を馳せたカントリーなお姉ちゃんが、急にドレスを着込んで母親がいつも家でかけていた、アメリカの古いスタンダードを大人になった自分が背伸びをして、恋する乙女のお目々になって歌うって、なんかいいじゃないですかーっ。彼女の作った、そんな3枚のスタンダードアルバムを聞く僕はいつでも、恋するお目々×24倍です。しかもその3枚のアレン ジャーは僕の大大尊敬する、Nelson Riddle です!
今回はストレートにballadで演ります。ベースの山本久夫をどうぞお聴きください。
4.My Funny Valentine('37年のミュージカ ル“Babes in Arms”)
'37年のミュージカ ル"Babes in Arms”からのjazzファンにはおなじみのバラード。'39 映画化、J ガーランドが歌いました。チェット・ベイカー(tp)マイルス・デイヴィス(tp)の演奏が有名ですが、我々はKeith Jarret Trio の「Up For It」アルバムでの演奏をヒントに spacy な 8Beatで やってみます。
5.Have You Met Miss Jones?('37年のミュージ カル“I'd Rather Be Right”より)
Art Tatum& Ben Webster や Oscar Peterson などの名演がありますがそれらをふまえて、Med Slow のアレンジで演ってみます。Ds の引田裕路フューチャーです。